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オイル交換の意味
 車のメンテナンスで洗車の次にポピュラーなのがオイル交換です。どんなにメカ音痴な人でも一度は聞いたことがあるでしょう。車検のときやガソリンスタンド、修理の際には必ずこの言葉を聞いたり目にしたりすることがあると思います。でも、オイル交換って一体何の事でしょう。意味を知らずに「あっ・・、お願いします・・。」って人もたくさんいるんじゃないでしょうか。

 自動車の動く部分にはさまざまな「オイル」が使われています。その部分のほとんどが金属でできています。

 想像してください。金属同士がこすれ合う、たとえば自転車のチェーンと歯車、だんだん錆びてくると、きしきしと不快な音が出てきますよね。でも、その部分がぬれた時や、油を注すとその音はしなくなります。そのままにしておくとペダルが重くなってきたり、だんだんチェーンが緩んできます。この原理と一緒です。たとえそのような音が出ていなくても、物同士がこすれるとお互い削れていくんです。

 その削れていくスピードを遅くする、スムーズな動きを保持するのが「オイル」の大きな役割です。

 水で濡れたガラステーブルにコップを置くと、あたかも浮いているがごとく勝手にそれが動きという経験はみんな持っていると思います。この場合の「水」がオイルなのです。

 車で言えば、一言に「オイル」といってもさまざまなものが使われています。エンジンはもちろん、トランスミッション(変速機)、そしてブレーキ、このブレーキには、油というよりどちらかというとアルコールに近いものが使われています。さらにエアコンガスにも混ざっています。これはエアコンのコンプレッサー(圧縮機:エアコンガスを一時的に加圧する装置)部分をスムーズに動かすためのものです。ハンドルを軽く回せるように装備されている「パワーステアリング」の油圧ポンプにも使われています。
 あと、可動軸などの比較的動きが少ない部分には「グリス」というラード状の油が塗られています。



●エンジンオイル

 これらの中で一般的なのが「エンジンオイル」です。エンジン内部は色々な部品がものすごいスピードで規則的な動きを繰り返し、さらに「燃焼」しているわけですから非常に過酷な環境です。燃えれば「スス」が出ますし、それがたまると本来ピタッとくっつかなければならない部分がそうならなかったり、スムーズな動きができなくなったりします。そして、金属同士がこすれると少なからず「カス:金属粉」が出ます。これが動いている密着面に入ると、磨耗(削れる事)が加速するのです。スムーズな動きのため、そして「スス」や「カス」を洗い流すのがここでの「オイル」の役割です。

 一般的に1万キロ走ったら交換・・、と言われていますが「商魂」も入って今では5000キロが目安と言われています。そして、サラダ油同様「油(オイル)」は空気に触れていると劣化しますので、距離だけでなく1年や半年ごとというように期限もつけられています。


※エンジンオイルに関する私論

 私は「無駄な」交換は必要ないと思っています。

 新車を買った場合、まず1000キロ、そして3000キロこれ以降は別に1万キロごとでも大丈夫だと思います。ただ、

 「高回転での運転が多い人」例えば高速道路巡航が多い人、走り屋さん、など。
 「渋滞での運転が多い人」
 「ディーゼル車」
 「ターボ車」


 これらに当てはまる人は5000キロごとくらいに交換するのが無難でしょう。

 中には「私は1000キロごとに交換している!」という人もいますが、私はこれは全くムダであると考えています。単なる「自己満足」、「こんなに大切にしているんだ!」というものでしかないと思います。それだけお金に余裕があるのはうらやましいですが・・。車も喜んでいると思いますけどね・・。


 エンジンオイルの「質」

 今、さまざまな種類のオイルが販売されています。「一体どれを使えばいいんだろう・・。」という人もたくさんいると思います。中には「レーシングオイル!5W−50」なんてものを使っている人もいるのではないでしょうか。こんなものは普通のエンジンには「ぶたに真珠」、何も意味はありません。条件を書きます。

 「ターボ車」には100%化学合成オイルがお薦めです。でも高いですが・・。エンジンはどうでもいいんですが、ターボチャージャーにオイルが回るとき、性能が低いオイルではそれが高温で変質し、スラッジになり、焼きつきの原因になる場合もありますので、予防策としてそのオイルを使っておいた方が無難でしょう。でも、1リッター3000円も4000円もするオイルはぶたに真珠です。

 「普通」のエンジンの車には、ふつ〜のオイルで十分です。目安はきちんとしたメーカーの1リッター500円〜1000円くらいのがちょうどいいと思います。

 「ディーゼル車」は安いオイルでもいいのでこまめに交換してください。ガソリン車に比べ、生成される「スス」の量が非常に多いです。黒煙の減少効果もありますし、「黒煙ぐせ」をつけないためにもまめに交換することが大切です。(黒煙の原因はオイルではなく燃料噴射ポンプによるものが大きいんですが・・。)

 「ディーゼルターボ車」は「ディーゼル車」と 「ターボ車」に準じます。できれば化学合成のオイルを使いたいですね。

 「軽自動車」は個人的に考えるに頻繁にオイル交換しておいたほうが良いのではないでしょうか。やはり普通よりも耐久性に劣りますから。ターボ車は特にです。

 エンジンオイルに関わる部分ではオイルエレメントがあります。これは要は「オイルを濾す(ろ過)」するもので、ころんとした缶状のものなのですが、この中にはろ紙というか綿というか・・そんなようなものが入っています。最近はいろいろな廉価品が出ていますが、その密度やろ過能力に差がありますので、私はきちんとしたもの、きちんとしたメーカーのものを使う事をお薦めします。訳の分からないメーカーのものだったら、オイル交換ごとにオイルエレメントも交換すべきでしょう。純正品やきちんとしたメーカーのものでしたらオイル交換2〜3回に1回交換すれば十分だと思います。新車で買った車は2回目のオイル交換までは毎回変えたほうがいいと思います。エンジンが新品の時にいろいろなカスが出たり、「あたり」ができるまでいろんなところが削れると思うんで。メーカーさんは否定するでしょうけどね。あくまでもなんとなくです。

 「普通の車は5000〜10000キロごとにふつ〜のオイル」
 「ターボ車は5000キロごとに100%化学合成のオイル」
 「ディーゼル車は5000キロごとに安いオイル」
 「ディーゼルターボ車は5000キロごとに化学合成オイル」
 「軽自動車は5000キロごとにふつ〜のオイル」
 「軽自動車のターボ車は5000キロごとに化学合成オイル」


 「オイルの種類は鉱物油、化学合成ブレンド、100%化学合成、の3種で、それぞれ中間よりも少し安いくらいのグレードで十分。国産石油メーカー系だと無難。SG、SHなどの等級は店頭で市販されているものならば気にしなくても問題なし。10W−30などの性能等級も同じ。いくら良いもの選んでもその性能を極限まで使う事はまずありません。最後には捨てるんですから。どれを選択するか、あとは自己満足の世界です。」

 「オイルエレメントは純正品やディーラー取り扱いなどのきちんとしたものはオイル交換2回に1回。それ以外のものは毎回交換しましょう。エレメント代が高い車種ではトータルで純正品の方が安くつく場合もあります。」

が私の持論です。


 余談ですが、日本でオイルを作れる会社ってどのくらいあると思いますか?実は少ないんです。それなのにカー用品店に行くとものすごい種類のオイルがありますよね。確かに輸入品もありますが・・。それらを考慮して私は石油メーカー系のものにしています。各製品はそれぞれの特徴があるんでしょうが、ぶたに真珠的なものだったり、びっくりするほど安かったり、ちょうどいいものが少ないような気がします。私が唯一オイルにこだわる部分、それは「石油メーカー系」にしていることです。なんとなく無難ですから・・。



●トランスミッションオイル

 トランスミッション(変速機)オイルについてですが、その構造は大きく2つに分かれます。マニュアルトランスミッション(5MTなどのマニュアル車)とオートマチック(AT車)です。これらについては自動車メーカーの指示を守ることをお薦めします。MT車についてはまあ、10000キロごとくらいにやっておけばOKです。但し、新車の時には私は1000キロと3000キロでやりました。ムダかもしれませんが、個人的にこれはやった方がいいとおもいます。

 オートマチック車のトランスミッションオイル(ATFと言います)はメーカー系ディーラーに任せるのが一番です。

 このオイルは、整備工場やガソリンスタンドで交換するようなモノではないと考えています(それ系の方面の方すいません)。車の説明書どおりに、ディーラーの工場でやった方が無難です。別に技術や設備が・・という問題ではありません。オートマチックトランスミッションはMTと比べ非常に繊細であり、壊れやすい部分でもあります。

 私が自動車販売をしていたときに経験したものでは、あるところでATF交換を薦められ、交換したところ調子が悪くなった、というものです。常識的に考えると汚かったものをきれいなものに交換して調子が悪くなる事など考えられないのですが、ATではあり得るんです。ATF交換のときに内部から剥がれ落ちたカスがストレーナ(ろ過機)に入る前に配管で詰まりを起こし・・、なんてことがあります。ただでさえATF(オイル)は高価なのに、さらにAT交換やオーバーホールの費用がかかってしまった、ということがありました。さらにこれでは因果関係が証明できません。

 今は国産車では10万キロごとに交換、というふうになっていますが、それを守る、もしそれ以前に交換したければきちんとメーカー系ディーラーにお願いする、というのがベストだと思います。最近増えてきたCVT(ベルト式の無断変速機)も同様です。

 「MTオイルは10000キロごと、ATFはもしやるならディーラー系工場に任せましょう。」

 FR(後輪駆動)車や4WD車にはデファレンシャルギアが構造により1〜3個あります。このオイル交換は10000キロくらいごとで十分です。



●ブレーキオイル

 ブレーキオイルは車検や修理のときの「ブレーキパッド交換」時に交換するくらいで十分です。ただ、注意するのは、「ブレーキオイル減っている」といわれた時や自分で見つけたときに、それがブレーキオイルタンクの半分以下になっている場合やブレーキ警告(サイドブレーキをかけたときに点灯するやつです)等が付いた場合、単に「補充」で済ませてはいけません。そんな時には工場などで「ブレーキパッドの残量」を確認してもらう、その残量がまだ十分である場合には「ブレーキオイル漏れ」を確認してもらう事が大切です。

 「ブレーキオイルの単なる補充には注意しましょう」



●その他のオイル

 グリスやパワーステアリングオイルはきちんとした工場では車検時にチェックしますのでそれ以外に交換、補充する必要はありません。パワーステアリングは最近の小型車では、油圧式ではなく、電動式(モーターでアシストします)も増えています。この場合には無論交換などはありません。

 エアコンのオイルは、エアコンに異常がなければ交換する必要はありません。このオイルは交換用のエアコンガス缶の中にガスと一緒に封入されているのがほとんどですのでガス交換=オイル交換になります。

 構造的には洩れるはずのないエアコンガスですが、ぶつけたり、故障によって少しづつ洩れることがあります。この場合には、補充、補充で済ませないで、きちんと修理しましょう。少しづつ補充していると、注入の技術によってはオイル分がきちんと入らず、ガスばかりになってしまい、ファンベルトで回転しているコンプレッサー自体がが焼きついてしまう恐れがあります。エアコンのガス漏れ修理はそれなりのお金がかかってしまいますが、コンプレッサーを壊してしまうとさらに10万円代の出費になってしまいますので注意しましょう。

 「もし、ガスが減っていたら修理を。もしやるなら全量交換を。」



 とまあ、いろいろ書きましたが自動車業界に携わってきた私の「持論」です。「いや、違う」といいたい人もいるでしょう。しかし自分の用途や条件にあった物を使う事が一番いいんですが、売る側はそれよりも「少しでも良いものを、高いものを」にどうしても偏ってしまいますんで、個々人がある程度の知識を持ち、自分で判断できるようになることも大切だと思うんです。買い手にとって、いいものを使うことは気持いいことですし、それは「車を大切に思っている」ということでもあります。売り手においても、お客さんの「無知」につけこむのではなく、「あなたにはこれがぴったり!」とコーディネートし、売り手買い手がお互いに満足できる関係が一番です。「わかんないからお任せ」ではなく勉強しましょうよ!いつ必要になるかは分からなくても、その勉強した知恵を使う場面では独特の充実感を味わえるはずです。




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